探偵ができること・できないこと
探偵というと、私立探偵 シャーロック・ホームズを代表とする数々の小説、ドラマ、映画に登場します。警察に協力して刑事事件を捜査するシーンも多く描かれていますが、日本の探偵は刑事事件に捜査協力するようなことはありません。
アメリカだとライセンス(資格)が必要で、社会的地位が高く、警察と合同で刑事事件を捜査するらしいですが、、、
法律で探偵にできる事、できない事がしっかり決まっていますので、今回は実際に探偵が行える業務の範囲などについて詳しくご説明したいと思います。
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始めに
探偵は基本的に一般市民と同じです。
日本の探偵は資格不要で、管轄する警察署へ届出を提出したら「探偵です」と名乗れる事から、警察や弁護士のように特別な権限を持っている訳ではありません。
2007年に定められた探偵業法という法律にのっとり、一般的な市民と同じ立場で業務を行う必要があります。
例えば、弁護士であれば職務上請求という権限が認められていて、戸籍謄本や住民票を取得したり、23条照会(弁護士照会制度と呼ばれたりもします)という制度があり、銀行に口座情報の開示を求める権限を持っていたりしますが、探偵業ではこういった事は許可されていません。
では、探偵ができることは何があるのでしょうか?
探偵ができること
尾行・張り込み
探偵の業務の多くは、尾行・張り込みが中心です。
探偵は対象者にバレない事を念頭に置いているため、基本的に直接接触することはなく、対象者の行動を監視して、不貞行為や違法行為があれば証拠を押さえます。
近年はGPS機器の精度も向上したことにより、GPSの位置情報だけで「ラブホテルに位置しているから、不貞の証拠だ」と思われる方が多いですが、GPS機器の確認だけだと
・いつ
・どこで
・誰が(誰と)
・何をしたか
この4点が揃わないと言い訳されてしまいます。
探偵は現地に足を運び、尾行・張り込みをすることによって映像証拠を撮るので、言い訳を未然に防ぐことができます。
また、探偵ではない人が尾行や張り込みをして見つかってしまうと、警察に通報されてしまうと最悪の場合はストーカー行為や、つきまとい等により逮捕される恐れがあるので注意が必要です。
ご自身やご友人などに尾行や張り込みをお願いされる方も多くいらっしゃいますが、被害者から加害者になってしまうこともあるので、最悪のケースも想定して探偵へ依頼するかしないかをご判断下さい。
聞き込み
調査に関する情報を集めるために、人に話を聞くことです。
ただし、対象者のマンションに立ち入って、住民一人ひとりに聞き込みまわるといった事をすると、不法侵入に当たりかねないですし、知らず知らずのうちに対象者の知り合いに聞き込みをしてしまうと、対象者にバラされてしまうので注意する必要があります。
詐欺や横領などの悪事を働く対象者の聞き込みをする場合、過度な聞き込みは、対象者にバレるリスクが高まるので、慎重に聞き込みをしなければいけません。
探偵が出来ないこと
住居への不法侵入
これは先に述べたとおりです。
調査目的といっても、許可のない住居・建物・敷地に無断で侵入することはできません。
警察や弁護士などの権限を使った個人情報の照会
先程あげた戸籍謄本、住民票、銀行の口座情報など以外にも、電話番号やナンバープレートからの個人情報の特定、サラ金、クレジット等の金融データの取得、犯罪歴の照会などは行なえません。
ストーカーからの依頼
近年、つきまといや嫌がらせ行為によるストーカー被害が増えており、最悪の場合は殺人事件にまで発展するケースも増えています。
ストーカーが目的で相手の家を知りたい、と言ってご相談があればもちろんお断りします。
また、ストーカーするつもりが無くても、依頼する目的が明確じゃなかったり、ご相談内容を聞いた上で正当な理由がないと判断した場合、ご依頼をお断りする事もあります。
探偵が盗聴器を使うと違法?
盗聴器を使用すること自体は違法ではありませんが、勝手に住居に侵入して盗聴器を設置すると不法侵入になります。
また、盗聴器を設置するために家具、家電、置物などを壊してしまうと器物損壊になります。
浮気調査などの場合に、依頼者の同意のもと夫婦の家に入って設置するか、依頼者本人が設置して情報を取得することもありますが、プライバシーの侵害で慰謝料請求をされる恐れがあるので、盗聴器を使用するかは各探偵社(事務所)の判断になります。
警察には民事不介入の原則がある
逆に警察にできない事もあります。
どういうことかというと、警察には民事不介入の原則があるため、事件化していない事については捜査にあたることができません。
ストーカー被害、家出人の所在調査など生命の危機があると判断されれば捜査してくれますが、そうでないと一切動いてもらえないという現実があります。
事件化とは、言い換えれば被害届の受理の事です。
被害届なので何かしら被害がないといけませんが、被害があってからでは手遅れの恐れもあります。
探偵であれば、こういった内容でもすぐに調査に動き出すことができます。
まとめ
探偵はできる事、できない事がハッキリしていますが、ご相談頂ければ、対応できる内容かの判断やアドバイスも含めて詳しくご説明させて頂きます。
まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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