離婚調停を深堀して解説
離婚する前に知っておくべき 離婚の種類 では離婚の種類や特徴について解説しました。
本記事では、離婚調停の流れを深堀して解説していきます。
この記事を読むための時間:3分
調停離婚とは
裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、家庭裁判所が夫婦の仲介をし、当事者が互いに譲歩し合い、合意によって解決を図ることを「離婚調停」と言います。
一言でいうと、円滑に解決する為に第三者(調停委員)を交えた「裁判所での話し合い」です。公平性を保つ為、立ち会う調停委員は必ず男女1名ずつで、中立な立場から夫婦問題にアドバイスや、お互いの妥協点などを見つけて円滑に解決を図るのが目的です。
調停の流れ
1.家庭裁判所で調停を申し立てる
申立書などの必要書類を準備し、家庭裁判所へ提出する。
必要書類
・申立書(裁判所HPからダウンロード可)
・夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
・年金分割のための情報通知書(年金分割の申し立てをする場合のみ)
2. 家庭裁判所から呼出状が届く
夫婦それぞれに第1回目の調停期日を知らせる呼出状が届きます。
3.第1回目の調停
申し立てから約1ヶ月後の調停期日に家庭裁判所へ行きます。
待合室で呼ばれるのを待ちますが、配偶者とは別室にする配慮がされている事が多いです。
通常は申立てをした当事者が先に呼ばれ、調停委員が調停の流れなどについて説明した後、離婚の申し立てについて質問をしたり意見を聞いたりします。
その後、もう一人の当事者が呼ばれ、同じように説明を受けて質問をされたりします。
順番に調停室に呼ばれることを2回程繰り返し、調停委員を通じて相手の意見などを聞くことにより、妥協点を探っていきます。
所要時間は、一般的に1回の調停で2時間程度とされています。
↪1回目の調停で解決しない場合には、第2回目の調停期日について日程調整を行います。
※離婚調停の平均回数は2~3回(期間だと3~6ヶ月)
※調停期日は管轄する裁判所の込み具合による
4.第2回目以降の調停
調停は、協議で離婚できていない状況(夫婦だけの話し合いではまとまらない状況)で利用される事が多い為、第三者の裁判官や調停員を交えても1回目の調停で解決することは稀です。
調停に回数制限はありませんが、裁判所側から調停で合意出来る見込みが無いと判断された場合は、申し立ての取り下げを勧められたり、裁判所側の判断で不成立とし、調停を終了する事があります。
5.離婚調停終結
調停成立の場合
調停で当事者双方が内容に合意すると、裁判官が調停調書を作成します。
※調停で取り決めた内容は、裁判の判決と同じ効力がある
調停調書と離婚届を役所に持参して手続きをすると、離婚の手続きが終了します。
成立から10日以内に申立人側で提出すべきとされており、正当な理由なく10日以内という期限を守らない場合、5万円以下の過料を課されます。
調停不成立の場合
調停が不成立の場合、当事者のどちらかが離婚裁判を申し立てれば「裁判」に移行します。
裁判の申し立てをしなければ、離婚は白紙に戻り、また当事者間で協議(話し合い)することになります。
例外的ですが、裁判官の判断により「審判」の手続きに移行することもあります。
審判では、裁判官の判断で離婚条件が決定されますが、当事者が審判に委ねることに合意している場合や、双方が離婚条件には納得しているが、当事者の一方がどうしても出廷できない場合など限定的に利用されているようです。
また、審判は告知されてから2週間以内に「異議申し立て」をする事で無効になります。
調停を無視するとどうなるのか
正当な理由もなく呼び出しを無視すると、調停不成立になって離婚裁判に発展する可能性が高まるのは勿論、裁判官や調停委員に悪印象を与え、離婚裁判の際に不利になる恐れがあります。
※調停期日に裁判所へ行けない場合は、予め電話で日程の調整をする
(期日に行けない理由や、家庭裁判所のスケジュールなどにより判断される)
↪無視を続けると、最悪の場合は5万円以下の過料が課されます。(極めて異例)
「どうせ話し合いで解決しないから」と決めつけて、呼び出しを無視をすると後悔する結果に繋がるので、正当な理由がない限りは出廷することを強くオススメします。
まとめ
夫婦の話し合いで離婚に至らない場合、調停という制度を利用することで円滑に解決できるかもしれません。
裁判官や調停委員が中立な立場で話を聞いてくれるので、冷静にお互いの納得できる条件を探れる良い制度だと思います。
離婚を視野に入れている人、悩んでいる人には一度「調停」を検討していただきたいです。
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